2026年最新版

防衛費増額で再注目!
防衛関連株の狙い目企業まとめ

防衛費GDP比2%への増額、装備輸出の緩和、防衛生産基盤の強化——大きく動く政策が国内防衛企業の追い風に。今後の政策動向と、三菱重工・川崎重工など狙い目企業を初心者向けにまとめて解説します。

防衛関連株とは?いま注目される背景

防衛関連株とは、防衛装備品の製造や、防衛省・自衛隊向けの事業で収益を得ている企業の株のことです。ミサイルや艦艇・航空機をつくる重工大手から、レーダーや通信システムを担うエレクトロニクス企業、部品や装備を供給する中小企業まで、幅広い業種が含まれます。

2022年末に決定された安全保障関連の3文書で、日本は防衛費を5年間で大幅に増額する方針を打ち出しました。これに加え、防衛装備の輸出ルールの緩和や、国内の防衛産業を支える仕組みづくりが進んでいます。長く「地味」と言われてきた防衛セクターが、政策(国策)の後押しを受けるテーマとして再評価されています。

「政策テーマ株」とは、国の政策の方向性に業績が左右されやすい銘柄のことです。防衛は予算(防衛費)の規模が業績に直結しやすいため、政策動向のチェックがとくに重要になります。

防衛関連株が注目される4つの理由

防衛費の大幅増額(GDP比2%へ)

2027年度に防衛費と関連経費をあわせてGDP比2%の水準を目指す方針が示されました。予算が増えれば装備の調達が増え、国内防衛企業の受注拡大につながると期待されています。防衛セクターにとって最も大きな追い風です。

防衛装備の輸出ルール緩和

防衛装備移転三原則の運用見直しにより、一定の条件で装備品を海外に輸出できる範囲が広がりました。国内需要に加えて輸出という新たな収益機会が生まれることで、関連企業の事業拡大が見込まれます。

防衛生産基盤の強化(収益改善)

2023年に成立した防衛生産基盤強化法などにより、国は防衛事業の採算を改善する仕組みづくりを進めています。これまで利益率が低いとされてきた防衛事業の収益性が高まれば、企業の業績にプラスに働きます。

安全保障環境の変化による継続需要

地政学リスクの高まりを背景に、防衛力の強化は一時的でなく中期的なテーマと位置づけられています。複数年にわたる整備計画に沿って装備調達が続くため、関連企業には継続的な受注が見込まれます。

とくに注目される防衛分野

防衛費の増額は装備全体に及びますが、なかでも重点的に強化が進む代表的な分野は次の4つです。

ミサイル・スタンドオフ防衛

遠くから対処できる「スタンドオフ・ミサイル」など、反撃能力の整備が重点分野に。ミサイル関連企業に追い風です。

次期戦闘機(GCAP)・航空

日英伊で共同開発する次期戦闘機をはじめ、航空機・エンジン分野は大型プロジェクトとして注目されています。

艦艇・潜水艦

護衛艦や潜水艦の建造・更新は重工大手の主力事業。海洋での防衛力強化に伴い継続的な需要が見込まれます。

サイバー・宇宙・無人機

サイバー防衛や宇宙領域、無人機(ドローン)など新領域への投資が拡大。エレクトロニクス・IT企業の出番が増えています。

今後の政策動向の流れ

防衛をめぐる政策は、ここ数年で大きく動いています。主な流れを時系列でまとめます。

2022年12月
安保3文書を閣議決定
国家安全保障戦略など3文書を改定。2023〜2027年度の5年間で防衛力を抜本的に強化し、2027年度に関連経費を含めGDP比2%を目指す方針を打ち出しました。
2023年
防衛生産基盤強化法の成立
国内の防衛産業を維持・強化するための法律が成立。サプライチェーン支援や事業の採算改善など、防衛企業を後押しする枠組みが整いました。
2023年末〜
防衛装備移転ルールの見直し
防衛装備移転三原則の運用指針が見直され、一定の条件のもとで装備品の海外移転(輸出)の範囲が拡大。次期戦闘機の取り扱いなども議論されました。
2024〜2027年度
整備計画に沿った調達の本格化
防衛力整備計画に基づき、ミサイルや艦艇・航空機などの装備調達が本格化。複数年にわたって関連企業への発注が続く局面です。
今後
2%到達と新領域への拡大
2027年度のGDP比2%到達に向けた予算編成や、サイバー・宇宙・無人機といった新領域への投資拡大が、関連株の中期テーマとして注目されています。

※政策の内容・時期は概要をまとめたものです。最新の動向は防衛省・財務省などの公式発表をご確認ください。

防衛関連株 狙い目企業一覧

防衛関連株は「総合重工・装備大手」「防衛エレクトロニクス」「専業・関連中小」の3つに分けて整理すると分かりやすくなります。下表は代表的な銘柄の概要です(順位ではなく区分ごとの整理です)。

防衛関連株の代表的な狙い目企業(2026年6月時点・概要整理)
区分 銘柄名 証券コード 主な防衛事業 注目ポイント
重工大手 三菱重工業 7011 ミサイル・艦艇・次期戦闘機 国内防衛の最大手
重工大手 川崎重工業 7012 哨戒機・輸送機・潜水艦 航空・艦艇に強み
重工大手 IHI 7013 航空エンジン・防衛部品 エンジン技術が中核
エレキ 三菱電機 6503 レーダー・ミサイル誘導・電子装備 防衛電子の主力
エレキ NEC 6701 指揮通信・サイバー・レーダー 新領域に強み
専業中小 石川製作所 6208 機雷など防衛機器 防衛比率が高い小型株
専業中小 豊和工業 6203 自衛隊向け小銃など 防衛特需の代表格
専業中小 東京計器 7721 防衛電子機器・航法装置 計測・制御に強み

※掲載銘柄は代表例であり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。事業内容・株価は変動します。投資前に必ず最新情報をご確認ください。

狙い目企業の詳細解説

総合重工・装備大手

三菱重工業7011
防衛の最大手 ミサイル・艦艇・戦闘機

ミサイル・護衛艦・戦闘機など、防衛装備のあらゆる分野を手がける国内防衛産業の最大手です。日英伊で進める次期戦闘機の共同開発でも中心的な役割を担い、防衛テーマの「本命格」として真っ先に名前が挙がります。エネルギー・航空・産業機械など事業が多角化しており、防衛以外の収益基盤も持つのが特徴です。

区分
総合重工(防衛最大手)
政策との関わり
装備調達の最大の受注先・次期戦闘機の中核
注目ポイント
防衛以外の事業も持ち収益基盤が広い
川崎重工業7012
航空・艦艇 哨戒機・潜水艦

哨戒機や輸送機といった防衛航空機、そして潜水艦の建造に強みを持つ重工大手です。航空機からエンジン、艦艇まで幅広い装備を供給しており、防衛力整備の本格化による受注拡大が期待されます。鉄道車両やオートバイなど民需事業も抱えています。

区分
総合重工(航空・艦艇に強み)
政策との関わり
哨戒機・潜水艦など主要装備を担当
注目ポイント
航空から艦艇まで装備の幅が広い
IHI7013
航空エンジン 防衛部品

航空機エンジンの分野で高い技術を持ち、防衛航空機向けエンジンや関連部品を手がける重工メーカーです。次期戦闘機の開発でもエンジン技術が注目されています。航空・宇宙、産業機械など多様な事業を展開しており、防衛はそのうちの一分野という位置づけです。

区分
重工・航空エンジン
政策との関わり
次期戦闘機のエンジン技術で関与
注目ポイント
航空エンジンのコア技術を保有

防衛エレクトロニクス

三菱電機6503
レーダー・誘導 防衛電子の主力

レーダーやミサイルの誘導システムなど、防衛装備の「目」と「頭脳」を担う電子機器に強みを持つ大手です。ミサイル本体に加え、探知・指揮に関わる装備で重要な役割を果たします。家電やFA(工場自動化)など事業が幅広く、防衛は事業の一部という位置づけです。

区分
総合電機・防衛電子
政策との関わり
レーダー・ミサイル誘導の主力
注目ポイント
FA・家電など民需事業も大きい
NEC6701
指揮通信・サイバー 新領域に強み

指揮通信システムやレーダー、そしてサイバー防衛・宇宙といった新領域で存在感を持つIT・エレクトロニクス企業です。装備調達の重点が新領域に広がるなかで、関連需要の取り込みが期待されます。官公庁向けITや社会インフラ事業も収益の柱です。

区分
IT・防衛エレクトロニクス
政策との関わり
サイバー・宇宙など新領域で関与
注目ポイント
官公庁IT・社会インフラも収益柱

専業・関連中小

石川製作所6208
防衛比率が高い 値動きが大きい

機雷など防衛機器を手がけ、売上に占める防衛事業の比率が高いことで知られる小型株です。防衛テーマが盛り上がる局面で名前が挙がりやすい一方、規模が小さく材料に敏感なため、株価が短期間で大きく動きやすい点には注意が必要です。

区分
防衛専業色の強い中小
政策との関わり
防衛比率が高くテーマ性が強い
注目ポイント
小型株ゆえ値動きが荒くなりやすい
豊和工業6203
防衛特需の代表格 小型株

自衛隊向けの小銃などを手がけ、「防衛特需」のテーマで取り上げられる代表格の中小銘柄です。工作機械など民需事業も持ちますが、防衛関連のニュースに株価が反応しやすい性質があります。話題性が高い反面、投機的な売買も入りやすい銘柄です。

区分
防衛・産業機械の中小
政策との関わり
自衛隊向け装備でテーマに乗りやすい
注目ポイント
材料で値動きが大きくなりやすい
東京計器7721
計測・制御 防衛電子機器

航法装置や各種計測・制御機器を手がけ、防衛向けの電子機器を供給する中堅企業です。船舶・航空など民需向けの計測機器も展開しており、防衛力整備に伴う関連機器の需要拡大が期待されます。重工大手や電機大手を支える「縁の下」の関連株といえます。

区分
計測・制御機器の中堅
政策との関わり
防衛向け電子機器を供給
注目ポイント
船舶・航空など民需も展開

防衛関連株に投資するときの4つのポイント

「テーマ株は値動きが荒い」と心得る

防衛関連株は、政策発表や国際情勢のニュースに反応して短期間で急騰・急落しやすい特徴があります。とくに小型の専業銘柄は値動きが激しいため、話題になった高値で飛びつかないことが大切です。

「防衛事業の比率」を見分ける

同じ「防衛関連」でも、防衛が収益の柱の企業もあれば、ごく一部しか関わっていない企業もあります。決算資料で防衛事業の売上比率を確認し、政策の追い風がどの程度業績に効くのかを見極めましょう。

受注・業績とあわせて判断する

テーマ性だけでなく、受注残高や売上・利益の動向も必ず確認します。期待先行で株価が上がっていても、実際の受注や利益が伴わなければ長続きしません。防衛事業は利益率が低めな点も押さえておきましょう。

1銘柄に集中せず分散する

防衛関連株は個別のニュースで大きく動くため、1銘柄への集中投資はリスクが高いといえます。区分(重工・エレキ・中小)を分けて複数に投資する、または投資額を抑えるなど、リスクを管理しながら向き合うのが基本です。

知っておきたいリスク・注意点

「政策の追い風があるから上がる」とは限りません。防衛関連株には、ほかの株以上に固有のリスクがあることを理解したうえで投資を検討してください。

予算・政策の変更リスク

防衛費は国の予算で決まるため、財政事情や政権交代で増額ペースが鈍る可能性があります。予算が想定より伸びなければ、受注期待がはがれて株価が下がることもあります。

防衛事業は利益率が低めなことが多い

防衛事業は契約の性質上、利益率が低く抑えられがちとされてきました。受注が増えても利益への貢献は限定的なケースもあるため、「売上増=大幅増益」と単純に考えないことが大切です。

輸出・地政学をめぐる不確実性

装備の輸出は相手国の事情や国際情勢、国内の議論に左右されます。期待された輸出案件が進まないこともあり、見通しが立てにくい分野である点に注意が必要です。

テーマ株特有の急騰・急落

有事の報道などで急騰し、過熱が冷めると一気に下げる——これがテーマ株の典型的な値動きです。高値づかみを避けること、余裕資金の範囲で投資することを徹底しましょう。

防衛関連株はNISAの成長投資枠でも買える

上場している防衛関連の個別株は、新NISAの成長投資枠で購入できます。値上がり益・配当ともに非課税になるため、長期で保有する場合は税制メリットを活かせます。

ただし防衛関連株は値動きの大きいテーマ株です。NISAは損益通算ができないため、一度に大きく買わず、投資額を抑えて分散することを意識しましょう。NISA制度の基本は関連記事もあわせてご覧ください。

よくある質問(FAQ)

防衛関連株とは何ですか?

防衛装備品の製造や、防衛省・自衛隊向けの事業で収益を得ている企業の株を指します。ミサイルや艦艇・航空機をつくる重工大手、レーダーや通信を担うエレクトロニクス企業、部品や装備を供給する中小企業まで幅広く含まれます。

なぜ今、防衛関連株が注目されているのですか?

2022年末の安保3文書で防衛費を5年間で大幅に増額し、2027年度に関連経費を含めGDP比2%を目指す方針が示されました。さらに防衛装備の輸出緩和や防衛生産基盤の強化も進み、国内防衛企業の受注増・収益改善への期待から注目が高まっています。

防衛費GDP比2%目標とは何ですか?

2022年12月に閣議決定された安保3文書で、2023〜2027年度の5年間で防衛力を抜本的に強化し、2027年度に防衛費と関連経費をあわせてGDP比2%の水準にする、とした方針です。従来のGDP比1%程度から大きな増額となります。

防衛関連株はNISAで買えますか?

はい、上場している個別株であれば新NISAの成長投資枠で購入できます。ただし防衛関連株は政策やニュースで値動きが大きくなりやすいテーマ株のため、一度に大きく買わず分散して投資するのが基本です。

初心者はどんな防衛関連株から見ればよいですか?

事業基盤が安定した大型株(重工大手や大手エレクトロニクス企業など)から調べるのが分かりやすいです。防衛比率の高い小型株は値動きが激しいため、まずは各社の防衛事業の位置づけと政策との関わりを理解することをおすすめします。

※本記事の情報は2026年6月時点のものです。株価・事業内容・政策の動向は変動します。本記事は情報提供を目的としたものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。投資はご自身の判断と責任において行ってください。最新情報は各社IRサイト・証券会社、および防衛省/財務省などの公式発表でご確認ください。