2026年最新版

国策テーマで再評価!
原発関連株の注目銘柄まとめ

脱炭素・AIデータセンターによる電力需要増・エネルギー安全保障——3つの追い風で再評価が進む原発関連株。なぜ「国策」として注目されるのか、その理由と代表的な注目銘柄を初心者向けにまとめて解説します。

原発関連株とは?いま注目される背景

原発関連株とは、原子力発電に関わる事業で収益を得ている企業の株のことです。原子炉そのものを製造するメーカー、原発を保有・運転する電力会社、関連機器や保守・建設を担う企業など、幅広い業種が含まれます。

福島第一原発の事故以降、長く逆風が続いてきた原子力ですが、ここ数年で潮目が変わりつつあります。脱炭素の流れに加え、AI・データセンターによる電力需要の急増、ロシアのウクライナ侵攻などをきっかけにしたエネルギー安全保障への意識の高まりが重なり、「安定して大量の電気を生む脱炭素電源」として原子力が再評価されています。

「国策テーマ」とは、国の政策の後押しが期待される分野のことです。原子力は2025年に閣議決定された第7次エネルギー基本計画などで「最大限活用」へと方針が示され、政策の追い風が意識されやすいテーマになっています。

原発関連株が再評価される4つの理由

脱炭素(GX)に向けた電源確保

2050年カーボンニュートラルの実現には、CO₂を出さない電源が欠かせません。天候に左右される再生可能エネルギーだけでは不安定なため、安定して発電できる脱炭素電源として原子力が見直されています。政府のGX(グリーントランスフォーメーション)方針でも原子力は重要な柱と位置づけられています。

AI・データセンターによる電力需要の急増

生成AIの普及でデータセンターの消費電力が世界的に急増しています。さらに半導体工場やEVの拡大も電力需要を押し上げており、「電気が足りなくなるかもしれない」という懸念が現実味を帯びてきました。大量の電力を安定供給できる原子力への期待が高まっています。

エネルギー安全保障への意識の高まり

ロシアのウクライナ侵攻などをきっかけに、化石燃料を海外に依存するリスクが強く意識されるようになりました。燃料の備蓄性が高い原子力は「エネルギー自給率を高める手段」として注目され、資源価格の高騰局面でも電気料金を安定させる役割が期待されています。

再稼働・新増設へ向かう政策転換

2023年のGX脱炭素電源法で運転期間の実質的な延長が可能になり、2025年の第7次エネルギー基本計画では「可能な限り依存度を低減」という従来の表現が見直され、次世代革新炉の開発・建設にも踏み込みました。政策が「活用」へと舵を切ったことが、関連企業の業績期待につながっています。

電力需要を押し上げる主な要因

原発関連株が注目される根っこには「電力需要が増える」という見通しがあります。需要を押し上げる代表的な要因は次の4つです。

AI・データセンター

生成AIの学習・運用には膨大な電力が必要。国内外でデータセンターの新設が相次ぎ、電力消費を大きく押し上げています。

半導体工場・EV

国内回帰が進む半導体工場や、EV普及に伴う充電需要も電力消費を増やす要因。製造業の電化も追い風です。

脱炭素・GX

CO₂を出さない電源への転換が進む中、安定供給できるベースロード電源としての原子力の価値が見直されています。

エネルギー安全保障

燃料を海外に頼るリスクを下げ、エネルギー自給率を高める手段として国内電源の重要性が増しています。

国の政策(国策)の流れ

原子力をめぐる国の方針は、ここ十数年で大きく変化してきました。主な流れを時系列でまとめます。

2011年
福島第一原発事故
国内の原発が順次停止し、安全規制が抜本的に強化。原子力は長く逆風の時代に入りました。
2012年〜
新規制基準と再稼働の始まり
原子力規制委員会が発足し、新たな規制基準のもとで審査に合格した原発から順次再稼働が進みました。
2023年
GX脱炭素電源法の成立
原則40年・最長60年とされてきた運転期間について、審査などで停止していた期間を除外できるようになり、実質的な延長が可能に。次世代革新炉の開発・建設方針も明確化されました。
2025年
第7次エネルギー基本計画
従来の「原発依存度を可能な限り低減」という表現を見直し、再生可能エネルギーと並ぶ脱炭素電源として原子力を「最大限活用」する方針へ。建て替え(リプレース)や次世代炉にも踏み込みました。
今後
次世代革新炉・再稼働の進展
次世代軽水炉や小型モジュール炉(SMR)の開発、停止中原発の再稼働がどこまで進むかが、関連企業の業績や株価のテーマとして注目されています。

※政策の内容・時期は概要をまとめたものです。最新の動向は経済産業省・資源エネルギー庁などの公式発表をご確認ください。

原発関連株 注目銘柄一覧

原発関連株は「原子炉メーカー系」「電力会社系」「関連機器・サービス系」の3つに大きく分けて整理すると分かりやすくなります。下表は代表的な銘柄の概要です(順位ではなく区分ごとの整理です)。

原発関連株の代表的な注目銘柄(2026年6月時点・概要整理)
区分 銘柄名 証券コード 主な事業 国策との関わり
メーカー 三菱重工業 7011 原子炉本体・次世代軽水炉・SMR 次世代炉開発の中核
メーカー 日立製作所 6501 原子炉・廃炉・小型炉(GE日立) 廃炉・SMRで関与
電力 関西電力 9503 原発比率が高い大手電力 再稼働メリットが大きい
電力 九州電力 9508 玄海・川内原発を運転 複数基が稼働中
電力 東京電力HD 9501 柏崎刈羽原発を保有 再稼働期待で値動き大
関連 IHI 7013 原子力関連機器・部品 設備投資の波及先
関連 太平電業 1968 発電所の建設・保守・メンテ 稼働・点検需要を取り込み

※掲載銘柄は代表例であり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。事業内容・株価は変動します。投資前に必ず最新情報をご確認ください。

注目銘柄の詳細解説

原子炉メーカー系

三菱重工業7011
原子炉メーカー 次世代炉・SMR

国内の加圧水型原子炉(PWR)を手がける代表的なメーカーで、原発関連の本命格として語られることの多い銘柄です。電力会社と共同で進める次世代軽水炉や、小型モジュール炉(SMR)の開発でも中心的な役割を担っています。防衛・航空・エネルギーなど事業が多角化しており、原子力以外の収益基盤も持つのが特徴です。

区分
原子炉メーカー(重工大手)
国策との関わり
次世代炉・SMR開発の中核を担う
注目ポイント
原子力以外の事業も持ち収益基盤が広い
日立製作所6501
原子炉・廃炉 小型炉(GE日立)

沸騰水型原子炉(BWR)の技術を持ち、海外子会社のGE日立を通じて小型モジュール炉(SMR)の開発にも関わっています。廃炉ビジネスや原子力関連サービスも手がける一方、近年はITやインフラなど成長分野へ事業の軸足を移しており、原子力は事業の一部という位置づけです。

区分
総合電機・原子炉メーカー
国策との関わり
小型炉・廃炉技術で関与
注目ポイント
IT・インフラなど成長事業も保有

電力会社系

関西電力9503
原発比率が高い 再稼働メリット大

国内の電力大手の中でも原子力発電の比率が高いことで知られ、再稼働が進むほど燃料コストを抑えやすいのが強みです。原発の活用が進む局面では収益面のメリットが意識されやすく、原発テーマで真っ先に名前が挙がる電力株のひとつです。

区分
大手電力会社
国策との関わり
原発活用で収益改善が期待される
注目ポイント
原子力比率の高さが特徴
九州電力9508
複数基が稼働 安定収益

玄海・川内の原発を運転しており、早くから複数基の再稼働を実現してきた電力会社です。原子力による安定的な発電が収益を下支えしている点が評価されやすく、電力需要の伸びとあわせて注目されています。

区分
大手電力会社
国策との関わり
稼働実績が豊富
注目ポイント
原子力が収益を下支え
東京電力ホールディングス9501
柏崎刈羽 値動きが大きい

柏崎刈羽原発を保有し、その再稼働への期待が株価のテーマになりやすい銘柄です。再稼働が進むかどうかで業績見通しが大きく変わるため、ニュースに反応して値動きが荒くなりやすい点には注意が必要です。話題性が高い反面、投機的な売買も入りやすい銘柄といえます。

区分
大手電力会社
国策との関わり
柏崎刈羽の再稼働が焦点
注目ポイント
材料で値動きが大きくなりやすい

関連機器・サービス系

原発関連株に投資するときの4つのポイント

「テーマ株は値動きが荒い」と心得る

国策テーマの株は、ニュースや政策発表に反応して短期間で急騰・急落しやすい特徴があります。話題になった高値で飛びつくと、その後の調整で損を抱えやすいため、勢いだけで買わないことが大切です。

「本命」と「関連の薄い銘柄」を見分ける

同じ「原発関連」でも、事業の柱が原子力の企業もあれば、ごく一部しか関わっていない企業もあります。決算資料や事業内容を確認し、どの程度その企業の収益に結びつくのかを見極めましょう。

業績・財務とあわせて判断する

テーマ性だけでなく、売上・利益や財務の健全性も必ず確認します。期待先行で株価が上がっていても、業績が伴わなければ長続きしません。電力会社の場合は燃料費や規制環境の影響も大きい点に注意しましょう。

1銘柄に集中せず分散する

原発関連株は固有のニュースで大きく動くため、1銘柄への集中投資はリスクが高いといえます。区分(メーカー・電力・関連)を分けて複数に投資する、または投資額を抑えるなど、リスクを管理しながら向き合うのが基本です。

知っておきたいリスク・注意点

「国策だから上がる」とは限りません。原発関連株には、ほかの株以上に固有のリスクがあることを理解したうえで投資を検討してください。

再稼働・新増設の遅延リスク

原発の再稼働や建設は、安全審査・地元同意・追加工事などに長い時間がかかります。期待していたスケジュールが後ろ倒しになれば、株価の失望売りにつながることがあります。

世論・政策の変化リスク

原子力は世論の影響を受けやすいテーマです。大きな災害や事故、選挙・政権交代などで政策の方向性が変わる可能性があり、テーマそのものの追い風が弱まるリスクがあります。

安全対策・建設コストの負担

安全対策の強化や次世代炉の建設には多額の費用がかかります。コスト負担が利益を圧迫したり、想定以上にかさんで採算が悪化したりする可能性も意識しておく必要があります。

テーマ株特有の急騰・急落

材料が出た直後に急騰し、過熱が冷めると一気に下げる——これがテーマ株の典型的な値動きです。高値づかみを避けること、余裕資金の範囲で投資することを徹底しましょう。

原発関連株はNISAの成長投資枠でも買える

上場している原発関連の個別株は、新NISAの成長投資枠で購入できます。値上がり益・配当ともに非課税になるため、長期で保有する場合は税制メリットを活かせます。

ただし原発関連株は値動きの大きいテーマ株です。NISAは損益通算ができないため、一度に大きく買わず、投資額を抑えて分散することを意識しましょう。NISA制度の基本は関連記事もあわせてご覧ください。

よくある質問(FAQ)

原発関連株とは何ですか?

原子力発電に関わる事業で収益を得ている企業の株を指します。原子炉を製造するメーカー、原発を保有・運転する電力会社、関連機器や保守・建設を手がける企業などが含まれます。一口に「原発関連」といっても、原子力が収益の柱の企業から一部しか関わらない企業まで幅があります。

なぜ今、原発関連株が再評価されているのですか?

脱炭素(GX)に向けた電源確保、AI・データセンターや半導体工場による電力需要の急増、エネルギー安全保障への意識の高まりが背景です。国も第7次エネルギー基本計画などで原子力の「最大限活用」へ方針を転換しており、政策(国策)としての追い風が意識されています。

原発関連株は国策テーマだから安全ですか?

国策テーマであっても株価が必ず上がるわけではありません。再稼働の遅延、規制や世論の動向、安全対策コスト、テーマ株特有の急騰・急落など固有のリスクがあります。値動きが荒くなりやすい点にも注意が必要です。

原発関連株はNISAで買えますか?

はい、上場している個別株であれば新NISAの成長投資枠で購入できます。値動きが大きいテーマ株のため、一度に大きく買うのではなく分散して投資することが基本です。

初心者はどんな原発関連株から見ればよいですか?

事業基盤が安定した大型株(原子炉メーカーや大手電力会社など)から調べるのが分かりやすいです。値動きの大きい小型の関連銘柄に集中投資するのは避け、まずは事業内容と国策との関わりを理解することをおすすめします。

※本記事の情報は2026年6月時点のものです。株価・事業内容・政策の動向は変動します。本記事は情報提供を目的としたものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。投資はご自身の判断と責任において行ってください。最新情報は各社IRサイト・証券会社、および経済産業省/資源エネルギー庁などの公式発表でご確認ください。